Python環境を構築する場合、AnacondaやWSL、Docker等で環境を構築した方が便利です。PC環境によってはAnacondaやWSL、Docker等を使用できない場合もあります。今回は敢えてWindowsAppでPython環境を構築、jupyter notebookをインストールする場合のポイントについて紹介します。
特に注意点としてWindowsAppの場合、デフォルトではPythonインストールディレクトリにユーザー権限が与えられていないため、pip等で他のソフトをインストールする際に制約があります。
@PythonAppインストール
スタートボタン→Microsoft Storeから検索でPythonをクリック、インストールします。
単にPythonだけ使用する場合は@のインストール作業だけで十分です。直接、python.exeにアクセスしたい場合は必要に応じてA以降の設定を行います。
Aディレクトリ権限変更
WindowsAppのPythonは下記のディレクトリにインストールされます。ただ、デフォルトではWindowsAppsフォルダにアクセスするユーザー権限が与えられていないため、コマンドラインやエクスプローラからアクセスできません。権限を変更してアクセスできるようにします。
C:\Program Files\WindowsApps\pythonsoftwarefoundation.python.*.**\python.exe
WindowsAppのフォルダを右クリックして、セキュリティから詳細設定をクリックします。
画面真ん中の所有者の「変更」をクリックします。
詳細設定から検索を押して、現在ログインしているユーザを探し、選択してOKを押します。オブジェクトにユーザ名が選択されていればOKです。OKボタンを押して閉じます。
C:\Program Files\WindowsApps以下にあるpythonsoftwarefoundation.python.*.**のPythonフォルダに対しても同様にユーザ権限を付与します。
アクセス許可エントリから追加をクリックします。
プリンシパルから検索をクリックし、同様に現在ログインしているユーザを選択して、フルコントロールの権限にチェックを入れてOKを押します。なお、前回と異なる点として権限変更時に「サブコンテナーとオブジェクトの所有者を置き換える」にチェックを入れます。
WindowsAppのフォルダを右クリックして、セキュリティタブのユーザ名に現在ログインしているユーザを選択して、フルコントロールにチェックが入っていることを確認します。これでC:\Program Files\WindowsAppsフォルダ、WindowsApps以下にあるpythonsoftwarefoundation.python.*.**のPythonフォルダにアクセスできるようになりました。
Bjupyter notebookインストール
下記のコマンドでjupyter notebookをインストールします。
"c:\program files\windowsapps\pythonsoftwarefoundation.python.*.**python.exe" -m pip install notebook
インストール後、下記のコマンドでjupyter notebookがインストールされたフォルダを確認します。
"c:\program files\windowsapps\pythonsoftwarefoundation.python.*.**python.exe" -m pip show notebook
今回は下記のようなディレクトリに格納されていました。
C:\Users\(ユーザ名)\AppData\Roaming\Python\Python38\Scripts\jupyter.exe notebook
Cjupyter notebookショートカット作成
毎回コマンドを打ち込むのは面倒なのでショートカットを作成しました。上記で確認したjupyter.exeフォルダにエクスプローラで確認し、jupyter.exeに対して右クリックで「送る」から「ショートカットをデスクトップに作成」をクリックます。デスクトップで作成されたショートカットのリンク先に「~~\jupyter.exe」から「(半角空白)notebook」を追記して「~~\jupyter.exe notebook」に変更してOKボタンを押して設定を反映させます。
これでショートカットをダブルクリックするだけでjupyter notebookにアクセスできるようになりました。