2021年09月04日

CTセンサアンプ基板

今回は先日、紹介した実効値変換アナログICを応用したCTセンサアンプ基板ついて紹介します。

一般的にはCTセンサをマイコンで取り込む場合、抵抗で中立点の仮想GNDにシャント抵抗とCTセンサを接続した電圧をAD変換器で取り込む回路を実装することが多いです。ただ、ノイズ除去処理、RMS値の計算処理やある程度速いAD変換サンプリングが必要です。また、振幅が小さい場合やAD変換器の入力インピーダンスが大きい場合は増幅回路が必要となり、回路が多くなるため、CTセンサの取り込みはなかなか厄介です。

そこで便利なのが開発中のCTセンサアンプ基板です。CTセンサアンプ基板は交流電流を測定するためのCTセンサの出力を増幅、RMS値に変換する基板です。基板上に選択可能なシャント抵抗があり、交流の電流に応じてRMS値を直流に変換した値を得ることができます。シャント抵抗、RMS値の演算含めて基板に実装しているため、交流負荷の電流や電力を直流値として簡単に得ることが可能です。


csa1.jpg

csa2.jpg

シャント抵抗は49.9Ω、10Ω、1Ω、0.3Ωの4種類から選択できます。ユーザー側でCTセンサを用いて測定したい電流範囲に応じてジャンパーさせることが可能です。電源は3.3V、5Vに対応していますが、5V電源の方がより多くの電流を測定できます。INA181A1によるゲイン20倍、出力段アンプゲイン3倍で60倍の増幅率です。

VOUT=(IxGainxR)/(CT比)=(Ix60x49.9)/3000


目安として、1:3000のCTセンサを用いた場合の各シャント抵抗における最小電流と最大電流をまとめました。最大電流は増幅アンプ飽和電圧です。一方、最小電流は回路内部のオフセット電圧が数10mV生じるため、オフセットの影響を無視できる範囲として設定しました。


 電源3.3V電源5.0V
シャント抵抗最小電流最大電流最小電流最大電流
49.90.130.16
10.00.5150.523
1.051505230
0.31034010500


なお、電流ゼロの場合でも、使用するAD変換器の入力インピーダンスや回路内のオフセット電圧等の影響で数10mV程度オフセット電圧が生じます。そのため、0.1A以下の微小な電流測定には向いていません。また、50Hz/60Hzの商用電源の電流をCTセンサで測定する用途を想定しているため、歪みの大きな電流やインバータ出力電流等では正しく電流実効値を測定できない場合があります。回路上のローパスフィルタで高周波をカットオフしているため、数百Hz以上の電流変化は測定できません。

シャント抵抗が小さい方が大電流を測定できる一方で小さな電流では出力電圧が小さすぎて、出力オフセットやAD変換分解能の影響で測定誤差が大きくなります。測定したい対象の最大電流に応じて、シャント抵抗を選択します。試作基板を製作して問題なく動作を確認することができたため、量産版の製造を開始をしたいと思います。
posted by Crescent at 00:00| Comment(0) | 電子部品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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