今回はUART I2Cプロトコルブリッジのリニューアル版について紹介します。
UART I2CプロトコルブリッジはUART通信をI2Cマスタに変換する変換ICです。マイコンやPC等からUARTコマンドをICに送ることでI2Cデバイスを制御することができます。UART I2CプロトコルブリッジはNXPからSC18IM700として販売されています。ただ、最近、NXPの製品ページではSC18IM700が新規設計非推奨となっており、将来的に供給されなくなる通知が出ていました。代替品をどうするか悩んでいたところ、リニューアルして販売されることが分かりました。
リニューアル版はSC18IM704となって別の製品として販売されるようです。データシートが公開されていたため、 SC18IM700とSC18IM704で差を比較してみました。
項目 | SC18IM700 | SC18IM704 |
コマンド、レジスタ | ー | SC18IM700と互換有 |
バッファサイズ | 16Byte | 256Byte |
IO電圧 | 2.4~3.6V (入力5V耐圧) | 1.71~3.6V (入力5V耐圧) |
GPIOモード | 双方向モード 入力モード プッシュプル出力モード オープンドレイン出力 | 入力モード プッシュプル出力モード オープンドレイン出力 |
ピンアサイン | ー | SC18IM700と互換なし |
大きなメリットとしてバッファサイズが16Byteから256Byteに大幅に増えています。これまでI2C通信を小分けに読み書きする必要がありましたが、一度にI2Cの読み書きをすることができるようになります。通信速度のパフォーマンスが大幅に改善しそうです。
また、最低電圧が1.71Vからとなったため、FPGAやカメラモジュール等のインタフェースと親和性が良くなっています。
GPIOの機能では双方向モード(quasi-bidirectionalモード)がサポートされなくなっていますが、通常の使用法であれば入力か出力か決まっていることが多いため、そこまで問題にはならないと思います。
唯一、残念な点としてピンアサインの互換がなく、I2Cや電源等のピン番号が異なっているため、フットプリントを変更する必要があります。ここは互換性を維持して欲しかった点です。
SC18IM700はUSBシリアルI2C変換基板で使用しています。移行のタイミングは検討中ですが、今後入手安定性や性能向上を鑑みてSC18IM704に移行することを検討したいと思います。まだ、21年11月の現時点ではSC18IM704は販売されていないため、検討もできませんが、販売され次第、検討してみたいと思います。
USBシリアルI2C変換基板を便利に使わせていただいています。スイッチサイエンスの在庫が無くなり同社へ問い合わせしたところ、次の入荷は分からないという回答でした。(現在は15個在庫になっています)
今後もUSBシリアルI2C変換基板の製造は続けられますか?
V1在庫とV2在庫が混じらないように一旦、在庫がなくなるまで納品を延期しておりました。
現在の在庫はすべてV2品となっており、今後もV2品で販売を継続する予定です。
詳細は下記のリンクをご参照ください。
よろしくお願いいたします。
https://github.com/meerstern/USBSerial_I2C_Converter
700では、HIGHレベル時間、LOWレベル時間というような設定でしたが、704では周期で設定します。
よって、700と同じ設定にするとI2Cクロックがとんでもなく長い周期になり適切なクロックになりません。
何かI2Cデバイスを接続し動作チェックを行て出荷してもらえると嬉しいです。とても便利なモジュールなので是非ともお願いします。
なお、ハンダブリッジについてはお手数おかけし、申し訳ありません。出荷検査についてはPCとデバイスを接続して、全数を日本、もしくは製造委託先の中国で行なっておりますが、委託先の検査が十分でなかったようです。今後は日本側でも再度検査する予定です。