2019年09月21日

電子メモパッド

数年前に購入した電子メモパッドが電池交換しても消えなくなってしまったため、リプレースしました。壊れたボードを折角なのでばらしみました。

構造は思った以上にシンプルで導電性のフィルムの間に特殊な液体を挟んだ構造でした。片側は透明な電極でもう片側は黒色のシート電極となっていました。液晶ディスプレイ同様の構造です。

一度、シートを上がすと気泡等が入ってしまい、復元は困難でした。破棄目的以外では分解厳禁です。また、液体は手で触れないように注意。液晶ディスプレイの多くはガラスで挟まれたモジュールとして組み込まれているため、モジュールとして取り外し可能です。一方、電子メモパッドは粘着テープで2枚のフィルムを挟んで止めているだけの構造のため、シートを剥がすと気泡が簡単に入ってしまいました。

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端に金網状のリボンケーブルで基板と接続されていました。

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薄っすら緑色に見えるのがフィルム間の特殊な液体です。液体自体に色はなく、シートが偏光板として機能することで発色しているようにみえると思われます。


ペンの加圧で特殊な液体の分子の並びが崩れて、緑色として見えます。電極に電圧をかけることで特殊な液体の分子を整列させ、緑色が削除されます。

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昇圧回路はIC型式が記載されておらず、詳細不明ですがオシロスコープで削除時の波形を観察すると±50Vで300msecの周期で2.5回繰り返し処理しているようです。昇圧回路はHブリッジのような構成のようです。非動作時はHブリッジ負荷のインピーダンスが高く、GNDの取り方が悪いため、非動作時のノイズが大きくなったと思われます。

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一般的な液晶ディスプレイに比べてバックライトや画素の処理回路、カラーフィルタなどがないため非常にシンプルです。昨今の電子メモパッドの安さに納得です。
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2019年09月14日

Sipeed MAix Bit Suit ドライバ設定

巷で話題のAIモジュール、K210を搭載したエッジデバイス開発ボード、Sipeed MAix Bit Suit を購入してみました。CPUにRISC-Vを採用したAIモジュールです。Suitという名前の通り、開発ボードだけでなく、カメラと2.4インチ液晶もセットで3000円前後と驚くほど格安です。カメラと液晶だけでも3000円くらいしそうな感じです。

公式サイトの情報通りに使ってみようとしましたが、USBシリアルデバイスとしてうまく認識できず、少し苦労したので覚書としてSipeed MAix Bit Suit ドライバ設定方法を紹介します。

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公式サイトの情報通りでは下記のようにCH552チップを搭載したモデルの場合はFT2232ドライバが必要とあります。すでにFTDI製のFT2232は使用したことがあり、ドライバはインストール済でした。
「For the boards with a CH552 chip, to get the USB serial port, FT2232 drivers need to be installed.」

Sipeed MAix Bit Suitに搭載したCH552のUSB挙動を調べるとUSBデバイスとして動作していないことが分かりました。CH552はUSB機能を持った汎用マイコンのため、CH552にUSBシリアルのファームが書き込まれていないようです。

出荷時に書かれているはずのファームはこちらからダウンロードできました。
ch552_dual_ser_new.bin
をダウンロードして、CH552の書き込みツール、WCHISPToolで書き込みます。

WCHISPToolをインストール、起動させ、先ほどのファームを書き込みます。

CH552.jpg

タブで「8bit CH55X series」を選択し、Chip Model「CH552」を選択します。
User Fileに先ほどのファームを選択します。デフォルトのファイル拡張子選択はHexになっているため、BINに変更してからファイルを選択します。その後、ダウンロードボタンを押して書き込みます。

書き込み後は自動的にFTDIのドライバが読み込まれて、シリアルCOMポートとして認識されました。FTDI製のチップでないのにFTDI製のシリアルとして認識させるところがチャイナクオリティーを感じます笑

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Tera Termでボーレート115200に設定しました。

CH552-4.jpg

起動後、RESETボタンを押してMicroPythonの動作を確認することができました。

CH552-3.jpg


シリアルが認識されたので、時間を見つけて今度はK210自体のファームの書き換え等をしてみたいと思います。
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2019年08月17日

機械学習機能付きモーションセンサ

今回紹介するのはST製 機械学習機能付きモーションセンサ LSM6DSOXです。

LSM6DSOXの機械学習機能を紹介する前に通信インタフェースについて説明します。モーションセンサとしてI2C、SPIに対応しているというのは普通ですが、これらに加えてI3C(MIPI I3C)に対応しています。I3Cの紹介はまた別の機会にしたいと思いますが、一言でいえばI2Cと後方互換を保ちつつ、I2Cよりも速い12.5MHzのクロック転送ができます。ただ、STからI3Cに対応したマイコンが出ていません...

LSM6DSOXはそのままでは扱いにくいため、評価ボードを購入してみました。



steval-mki197v1.jpg


機械学習コアを内蔵すること特徴として、センサのモーションパターンをあらかじめ学習させると、マイコン側にモーションパターンの結果だけ返すことができるようになります。これで何がよいかというと、モーションパターンを分析するために高周期でセンサとマイコンで通信したり、マイコンで高度な分析処理をする必要がなくなります。電池の長寿命化やマイコンを他の処理に割り当てることが可能となります。エッジ処理のさらにエッジ化という感じです。

機械学習コアに学習させるためには決定木分析のツール、Wekaを使用して学習させることができるようです。
例えば、走っている状態、歩いている状態、止まっている状態を区別する場合、センサ単体で状態を区別できるようになり、マイコン側の処理が不要となります。

LSM6DSOX-core.jpg

※STのデータシートから抜粋


さらにLSM6DSOXの機械学習コアの特徴としてモーションセンサ内の加速度、ジャイロだけでなく、外部のセンサ情報も取り込んで学習させることができるようです。これはLSM6DSOXがI2Cマスタとなって外部センサを接続できる機能の応用例です。


マイコンでなく、センサ側で学習させるというLSM6DSOXは非常に面白いセンサだと思いました。今後、機械学習コアを試食してみたいと思います。
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2019年08月10日

Groveリレー

最近は忙しいため、部品紹介が少し多めとなっています。

今回も部品紹介としてGroveリレーを紹介します。

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Groveコネクタのリレーはいくつかあります(M5Stack用SPDTリレー)が、その中でもSeeed社のGroveリレーv1.2は3.3Vから動作可能なのが特徴です。Seeed社のGroveリレーv1.2であれば、3.3V系でも5V系でもそのまま使用することができます。

ほかのGroveリレーの多くは5V動作なのでSTM32マイコンやArduino Leonardなどの3.3V系のマイコンではそのまま動かすことができません。これらのマイコンで使用する場合はリレーの動作電圧に注意して選定する必要があります。

また、Groveリレーを使用する場合は基板上にコイルの逆起電力をキャンセルさせるためのダイオードが付いているため問題ありませんが、リレー単体で実装する場合は必ず保護ダイオードを取り付けることがポイントです。忘れるとマイコンのポートに数十〜数百Vの逆起電圧が加わり一瞬でマイコンが壊れてしまいます。
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2019年08月03日

Groveパーティクルセンサ

以前、Honeywell製のパーティクルセンサを紹介しました。

今回はGroveパーティクルセンサを使ってみました。
GroveパーティクルセンサはHM3301という中国製のモジュールが搭載されています。

有効レンジとしてはHoneywell製が0~1000μg/m3、Groveパーティクルセンサが1~500μg/m3となっています。Honeywell製の方がレンジが広いです。ほかの仕様はほぼ同様ですが、Groveパーティクルセンサの良い点としてボード上に昇圧回路があり、3.3V電源でも動作することです。また、Honeywell製に比べて、価格が3500円前後で少し安くなっています。


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Arduinoでサンプルコードを書き込んで試食してみました。


hm3301.jpg


Standard particulate matterとAtmospheric environmentの2つの値が出力されます。Standard particulate matterは工業用の指標、Atmospheric environmentは通常の屋内および屋外の大気環境の指標のようです。2つの値の推移をみると、過渡応答では2つの値に差があるようですが、収束すると同じ値になるようです。

Groveコネクタ直結で3.3V電源で簡単に動くのは便利だと思いました。PM1、PM2.5、PM10といった空気中の粒子の日々の変化を計測してみたいと思います。
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