2023年05月13日

モバイルルータMR05LNとjava socket timeout exception

先日、5月8日から急にJavaを用いたアプリケーション(KNIME Restful API)で外部のサーバに接続できない(java.net.SocketTimeoutException)という現象が生じました。ブラウザ等ではアクセスできますが、Javaを用いたアプリケーションからは全く接続できず、当初、ファイアウォールやJava環境の問題と思いましたが、MR05LNと同じネットワーク上で別PCからも同じようにアクセスできないことが分かり、原因を調査しました。

結論を先に説明するとモバイルルータMR05LNのファームアップデート関連が関係していると判明しました。MR05LNの画面を見るとアップデート告知の表示があり、Ver.4.2.0からVer.4.3.1に更新すると通常通り外部サーバに接続できるようになりました。

iOSのテザリングやMR05LNではない別ネットワークからは接続できるものの、MR05LNのネットワークでは下記のような例外が発生し、接続できない状況でした。急に接続できなくなったのが5月8日で、モバイルルータMR05LNのファームアップデートの告知が来たのも5月8日で一致しており、Ver.4.3.1に更新すると通常通り接続できることから、ファームアップデート告知が入ると何かしらの原因でMR05LNの特定のポートや通信が制限されてしまったようです。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
javax.ws.rs.ProcessingException
java.util.concurrent.ExecutionException
javax.ws.rs.ProcessingException
java.net.SocketTimeoutException
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

当初、原因がなかなか分からず、OS設定やネットワーク設定等を試行錯誤した結果、モバイルルータMR05LNが原因の可能性が高いと分かりました。モバイルルータのファーム更新をすぐに行うか、ファームウェア更新通知機能のチェックを外した方が良さそうです。その他にも原因が分かれば、また紹介したいと思います。
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2023年04月22日

Win10セットアップ途中のオフラインアカウント作成方法

今回はWindows10セットアップ時にLANやWi-Fiを接続してしまった場合でも、途中からオフラインアカウントに切り替えて作成する方法を紹介したいと思います。マイクロソフトとしてはMicrosoftアカウントでWindows10を利用して欲しいようで、初期設定でネットワークやWi-Fiを接続した場合、強制的にMicrosoftアカウントでユーザを作成する画面となり、戻ってオフラインアカウント作成画面に戻すことができません。

このような場合に再度、OSをクリーンインストールし直してセットアップし直すという方法がありますが、なかなか時間もかかり、面倒です。また、諦めて、一旦、Microsoftアカウントでユーザを作成して後からオフラインアカウントを作成する方法もありますが、Microsoftアカウントのゴミデータが残るため、避けたいものです。


今回はLANやWi-Fiを接続してしまった場合でも、途中からオフラインアカウントに切り替えて作成する方法を紹介します。

@セットアップ途中(Microsoftアカウント作成画面等)でShift + F10 キーを押します。

Aコマンドプロンプトが表示され、下記のコマンドを打って、接続されたネットワークインターフェース名を確認します。
netsh interface show interface

Admin State State Type Interface Name
-------------------------------------------------------------------------
有効     接続  専用 Wi-Fi
有効     未接続 専用 イーサネット

B接続済のインタフェースを無効化します

 a. Wi-Fiで接続してしまった場合は
   netsh interface set interface "Wi-Fi" disable

 b. LANで接続してしまった場合は
   LANを抜くか下記のコマンドで無効化します
   netsh interface set interface "イーサネット" disable

Cコマンドでシャットダウンさせます。
shutdown -s -t 0

D再度、電源を入れて起動させるとまた、最初のネットワーク確認画面になります。LANやWi-Fi接続を選択せずに「インターネットに接続していません」や「オフライン アカウント」、「制限された設定で続行する」等をクリックして、オフラインアカウント作成に進んでください。


Eセットアップ後には無効化したネットワークを有効化してください。スタートボタンを押して、「cmd」と入力し、コマンドプロンプトを起動させます。コマンドプロンプトで下記を入力することで再度、有効化してください。
netsh interface set interface "Wi-Fi" enable
もしくは
netsh interface set interface "イーサネット" enable


今回はWindows10セットアップ時にLANやWi-Fiを接続してしまった場合でも、途中からオフラインアカウントに切り替えて作成する方法を紹介しました。Windowsはセットアップ途中でスタートボタンやデスクトップが表示できない場合であっても「Shift + F10 キー」でコマンドプロンプトを表示させることが可能です。今回はネットワークの無効化とシャットダウンに利用しましたが、その他には事前にドライバ等のファイルをUSBメモリ等からCドライブにコピーして入れておくことや、Wi-FiやLANのMACアドレスをPCセットアップ前に事前に調べる用途にも使用できます。Windows10セットアップ時に「Shift + F10 キー」でコマンドプロンプト表示は覚えておいて損はないPCのライフハックです。
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2023年04月08日

USBシリアルのCOMポート固定方法

今回はUSBシリアル変換ICでCOMポートが増えてしまう問題を解決する方法について紹介します。既にいくつかのサイトで方法について紹介されていますが、多くはFTDI製のUSBシリアル変換ICに関して紹介されています。FTDI製以外でもパラメータを変更することでProlific製やSilicon Labs製のUSBシリアル変換ICにも適用することが可能です。

まず、ベンダーID (VID)、プロダクトID (PID)を調べる必要があります。デバイスマネージャの「ポート(COMとLPT)」内の該当するUSBシリアル変換ICを開き、「詳細」タブをクリックします。今回はUSBシリアル変換IC、PL2303SAを使用しています。


com_1.png

「詳細」タブのプロパティから「ハードウェアID」を選択します。

com_2.png

「ハードウェアID」を選択するとUSBシリアル変換IC、PL2303SAのベンダーID (VID)が067B、プロダクトID (PID)が2303であることが分かります。なお、PL2303GLの場合はベンダーID (VID)が067B、プロダクトID (PID)が23D3となります。


com_3.png

ベンダーID (VID)とプロダクトID (PID)を確認できたところで、レジストリに追加します。Windows「スタート」を押して、「regedit」と入力し、レジストリエディタを起動させます。下記のレジストリ階層に移動し、右クリックで「新規」→「バイナリ値」をクリックし、IgnoreHWSerNum067B2303と名称を変更します。また、IgnoreHWSerNum067B2303の値に01(単に1でなく、0と入力後に1を入力します)と入力します。

コンピューター\HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\usbflags\


com_4.png



com_5.png


実際に追加した際のイメージは上記の通りです。今回はFTDI製以外のProlific製のUSBシリアル変換ICに適用する方法について紹介しました。IgnoreHWSerNumの設定は単に該当するVIDとPIDから特定されるUSBデバイスの固有番号(シリアル番号)を無視するという設定のため、USBシリアル変換ICの他、様々なUSBデバイスにも応用可能です。ただ、USBデバイスの固有番号(シリアル番号)を無視するため、同じVIDとPIDのデバイスを同時に2つ接続した場合にソフトウェアによっては不具合が発生する場合があるため、注意が必要です。また、レジストリの変更は最悪、PCが起動しない等の問題を生じる可能性があるため、注意してください。
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2022年02月12日

Rust + Eclipse IDE + GDB

今回はWindows環境でEclipse IDEを使用したRust開発環境の構築方法について紹介します。一般的にはVSCodeを使う流れですが、時代錯誤感はありますが、組込系でも慣れたEclipse IDEで構築しました。

Rust版Eclipse IDEは発展途上or見放された?ようでEclipseの2020-12が最新で以降はRust版が提供されていないようです。そのため、MacやLinux環境では比較的うまく動くようですが、Windows環境ではなかなかすんなり動かないようです。既知の問題点として対処方法含めて紹介されていますが、それだけでは分かりずらい点もあったため、環境構築方法を改めて紹介します。


@Rustインストール
既にRust環境が入っている場合は飛ばしてください。コマンドライン等からcargo --versionと打ってバージョン情報の正しい応答があればインストール済&パスOKです。必要に応じて公式サイトからインストールしてください。

AEclipseインストール
残念ながら2020-12が最新で以降はRust版が提供されていないようです。こちらのページの中央右にあるWindows x86_64をクリックしてダウンロードします。なお、右端のボタンは最新版統合インストトーラのため、Rust版ではありませんので間違えないように注意。直リンクはこちらです。Eclipseはzipを解凍するのみでインストール不要です。適当な場所に解凍したフォルダを置きます。

BGDBインストール
コマンドライン等からgdb --versionと打ってバージョン情報の正しい応答があればGDBインストール済です。「gdbは、内部コマンドまたは外部コマンド、操作可能なプログラムまたはバッチ ファイルとして認識されていません。」と表示される場合はインストールされていないorパスが通っていません。既にCygwin等がインストールされている場合、GDBが入っていればパスを通します。何もインストールされていない場合は最低限としてGDBだけの TDM-GCC Compilerをこちらからダウンロード、インストールします。インストールはzipを解凍し、Cドライブ直下かユーザーディレクトリ直下等にフォルダを配置し、gdb.exeがあるフォルダに対して環境変数のPATHにパスを追加します。

例: C:\Users\(ユーザ名)\gdb\bin

環境変数にパスを追加した後、再度開き直したコマンドライン等からgdb --versionと打ってバージョン情報の正しい応答があればOKです。

Cツールチェーンインストール
コマンドラインから下記の2つのコマンドを順番に打ち込んでツールチェーンをインストールします。

rustup toolchain install stable-x86_64-pc-windows-gnu
rustup default stable-x86_64-pc-windows-gnu


Dコマンドファイル追加
Windows環境ではrust-gdb.exeがそのままでは使用できないため、下記のフォルダにrust-gdb.cmdというファイルを生成し、こちらのサイトに記載されたスクリプトをメモ帳等で書き込みます。念のため、既にスクリプト書き込み済みのrust-gdb.cmdのファイルを圧縮してアップロード(rust-gdb.zip)してあります。

C:\Users\(ユーザ名)\.cargo\bin

Eプロジェクト追加
Eclipse IDEのZipファイルを解凍したフォルダ内のeclipse.exeをクリックし、起動させます。プロジェクトのワークスペースは適当なディレクトリを指定します。File→New→ProjectからRust→Cargo Projectをクリックし、プロジェクト名を入力し、Finishボタンでプロジェクトを作成します。その他の設定はデフォルトでOKです。

rust2.jpg

Fデバッグ設定変更
このままではGDBデバッグ機能が利用できないため、デバッグ設定を変更します。Run→Debug ConfigurationからDebuggerタブをクリックし、GDB debuggerにrust-gdbの代わりに先ほど作成、格納したC:\Users\(ユーザ名)\.cargo\bin\rust-gdb.cmdを指定します。また、Environmentタブをクリックし、Addをクリックして適当な名前と値を入れます。面倒な場合は下記のようにHOGE、hogeと入れます。デフォルトの空白だとエラーになるため、その対処のため、何かしらの文字列を指定します。特に意味はないため、空白以外の文字列であれば構いません。

rust3.jpg

rust4.jpg


Gデバッグ
これで設定完了です。Run→Debugから今まで通りにデバッグできます。

rust5.jpg

Rustでもこれまでと同じようにGDBでデバッグできるようになりました。時代錯誤感はありますが、プラグインやアドオンで重くなりがちなVSCodeよりも各プロジェクトで独立した開発環境を構築できるEclipse IDEの方が個人的に好んでいます。最新版とまでは言わなくとも継続してRust版のEclipseを開発して頂きたいと思いました。
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2021年04月24日

Node-redを用いたシリアルカメラ画像取込

今回はシリアルカメラPTC06をNode-Redを用いて画像として取り込んでみました。シリアルカメラPTC06は高画質や高フレームレートは全く期待できませんが、UARTから気軽に画像データを取得することができます。組込マイコンとの接続や簡易的な遠隔監視といった用途に最適です。Node-Redのシリアルポートを使用して画像を取り込んでみました。なお、シリアルポートのノードを使用するため、Node-Redはクラウド版でなく、オンプレミス版を使用する必要があります。

フローの全体は下記です。

serial_camera_node_red.jpg

必要に応じて、最初に解像度設定等のコマンドを実行(Inject)した後でResetコマンドでリセットします。画像を取得したいタイミングでCapture Imageコマンドを実行します。取得した画像を確認するためにはRead Data Lengthコマンドを実行してファイルサイズを取得します。その後でRead Image Dataコマンドを実行します。一括で取得できるデータは200Byte前後のため、Read Image Dataコマンドではファイルを分割してメモリから取得し、Jpegファイルを生成しています。


img.jpg

実際に取得したファイルです。至近距離のため、ぼやけていますが、3秒程度でファイルを取得できました。画像サイズは320x240で12kBとなりました。今回のNode-Redのフローはこちらにアップしています。640x480の場合は40kB前後で15秒程度取得に時間を要します。

Node-Redを用いてシリアルカメラの初期化、設定、画像取得までできました。PTC06のデータシートの記載ミスなのか分かりませんが、画像取得コマンドが56,00,32,0C,00,0D...と記載されていますが、このコマンドでは取得できませんでした。他のシリアルカメラと同様に56,00,32,0C,00,0A...とすると取得できるようになりました。ファーム等によっても若干、挙動が異なるようです。

今回は使用しませんでしたが、Node-RedのDashboardと組み合わせれば、ファイルとして画像を取得するだけでなく、ボタンとtemplate等を活用してDashboardにボタン操作で表示することも可能です。時間を見つけて実装してみたいと思います。
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