2025年04月05日

3D加速度&3D磁気センサ変換基板

今回は先日、設計/作成した3D加速度&3D磁気センサ変換基板について紹介したいと思います。

加速度センサとジャイロセンサを統合したICは多くありますが、加速度センサと磁界センサを統合したICは少し市場がニッチなようで種類もあまり多くなく、世に変換基板として出回っているもののの、IC自体は既にディスコン(生産完了品)になっている製品も残念ながら多くあります。

加速度センサ、ジャイロセンサ、磁界センサ等、すべて統合したICも世の中にはありますが、主な用途に応じて2つのセンサを組み合わせて使用することが多いです。例えば下記のような用途があります。


・加速度センサとジャイロセンサの組み合わせの用途例
 ドローンやロボットの制御: 姿勢安定化、動作補正目的。
 スマートフォン・ゲーム機: ジェスチャー操作や画面の自動回転検知。
 車両の安全システム: 横滑り防止装置、衝突検知。

・加速度センサと磁界センサの組み合わせの用途例
 コンパスアプリ・カーナビ: 方向と移動速度を同時に取得。
 ウェアラブルデバイス: ランニングや歩数計測目的。
 拡張現実(AR)アプリ: 方向感覚や位置情報の強化目的。

方向検知を目的とする場合に加速度センサと磁界センサの組み合わせを採用することが多いようです。加速度センサと磁界センサの組み合わせたICを可能な限り長期供給できるよう、既に発売から7年程度経過していますが、少なくとも2027年9月まで10年間の供給安定をSTが宣言しているIC、ISM303DACを選定し、変換基板を作成してみました。本音としてはここ数年発売のICで10年間の供給安定を謳っている後継品があれば良いですが、現状は販売されていないため、仕方なくISM303DACを選定しました。

ISM303DACは電源レンジが1.71Vから1.98Vです。3.3V系や5V系ではなく、電子工作レベルでは扱い辛いため、レベル変換を介して容易に3.3Vや5V系のマイコンに直結できるようにしてみました。 
ISM303DAC.jpg
3D加速度&3D磁気センサ変換基板の主な特徴は下記の通りです。
  • 磁界センサ 最大±50ガウス磁気感度
  • 加速度センサレンジ±2/±4/±8/±16g
  • 16bit分解能、256個のFIFOメモリを搭載
  • SPI/I2Cシリアルインターフェイス
  • I2CはGrove互換コネクタ搭載
  • 全IOにレベル変換ICを介してアクセス可能(3.3V/5Vの電源/IOに直結可能)


3D加速度&3D磁気センサ変換基板のガーバーやサンプルコード、回路図はこちらで公開しています。また、スイッチサイエンスのマーケットプレイスにて販売しております。今後は磁界センサをより精度高く使用するためのキャリブレーション等を紹介したいと思います。
posted by Crescent at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 電子工作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする