今回はプロジェクションボールに使用するモータについて
ご紹介します。
色々なモータを試して、結局行き着いた場所は単なる工作用モータでした。
プロジェクションボールに使用する
ミラーを動かすモータとして求められる要素は以下です。
・慣性(イナーシャ)が小さいこと
→応答性を高くする
・電機子抵抗が小さいこと
→大電流を流すため
・インダクタンスが小さいこと
→応答性を高くする
・コギングトルクが小さいこと
→描画の綺麗さに影響します
・そこそこのトルクがでること
→急な向きの転換などに大きなトルクが必要
・値段が安いこと
・整流子の耐久性が高いこと
→同じ場所でミラーを振動させるため、耐久性が求められる
結局、価格を除いてこれらの要素をすべて満たしたものというのは
ガルバノメータなのです。
ガルバノメータは非常に値段が高いので
プロジェクションボールでは普通の工作用モータを無理に使用しています。
ガルバノメータ以外の上記の要素を満たすモータとして、
コアレスモータが挙げられます。
コアレスモータは巻き線部分に鉄芯(コア)がないモータです。
その分、応答性に非常に優れます。
国内で安定してコアレスモータを入手することが難しく、
コアレスモータ自体、普通に購入すると小さいものでも数千円はします。
試してみたモータを以下に示します。
コメントはプロジェクションボールとして使用した際のコメントです。
用途が異なればモータの評価も変わります。
・マブチモータFA-130 or互換モータ
○電流を多く流せるため、制御性がよく、綺麗に描画できます。
キットに同封のモータです。
安いです。入手性がとても良いです。
×金属ブラシで耐久性があまりない。
・ミニモータFP030-KN/13125
○ブラシがカーボンブラシで耐久性が非常に高い。
バリスタ搭載でノイズが小さい。
×電機子抵抗が大きく、大電流を流せない。
コギングトルクが少し大きい。
大電流を流せないため、細かい描画が雑になる。
・千石高性能モータ(型式不明 定格3V)
○電機子抵抗が小さく大電流が流せる。
×コギングトルクがかなり大きい。
描画性能としてはミニモータと同じくらい。
他にも検討しましたが、
モータ定格電圧が12Vが多く、
5Vで駆動させるという今回のキット化の
仕様から外れるため除外しました。
12V駆動対応にすればもう少しモータの選択範囲が広がり、
より描画が綺麗にできるかもしれません。