2015年03月10日

DCモータについて

今回はプロジェクションボールに使用するモータについて
ご紹介します。


色々なモータを試して、結局行き着いた場所は単なる工作用モータでした。





プロジェクションボールに使用する
ミラーを動かすモータとして求められる要素は以下です。

・慣性(イナーシャ)が小さいこと
 →応答性を高くする

・電機子抵抗が小さいこと
 →大電流を流すため

・インダクタンスが小さいこと
 →応答性を高くする

・コギングトルクが小さいこと
 →描画の綺麗さに影響します

・そこそこのトルクがでること
 →急な向きの転換などに大きなトルクが必要

・値段が安いこと

・整流子の耐久性が高いこと
 →同じ場所でミラーを振動させるため、耐久性が求められる






結局、価格を除いてこれらの要素をすべて満たしたものというのは
ガルバノメータなのです。


ガルバノメータは非常に値段が高いので
プロジェクションボールでは普通の工作用モータを無理に使用しています。


ガルバノメータ以外の上記の要素を満たすモータとして、
コアレスモータが挙げられます。

コアレスモータは巻き線部分に鉄芯(コア)がないモータです。
その分、応答性に非常に優れます。


国内で安定してコアレスモータを入手することが難しく、
コアレスモータ自体、普通に購入すると小さいものでも数千円はします。





試してみたモータを以下に示します。
コメントはプロジェクションボールとして使用した際のコメントです。
用途が異なればモータの評価も変わります。


・マブチモータFA-130 or互換モータ
 ○電流を多く流せるため、制御性がよく、綺麗に描画できます。
  キットに同封のモータです。
  安いです。入手性がとても良いです。
 ×金属ブラシで耐久性があまりない。


・ミニモータFP030-KN/13125
 ○ブラシがカーボンブラシで耐久性が非常に高い。
  バリスタ搭載でノイズが小さい。
 ×電機子抵抗が大きく、大電流を流せない。
  コギングトルクが少し大きい。
  大電流を流せないため、細かい描画が雑になる。


・千石高性能モータ(型式不明 定格3V)
 ○電機子抵抗が小さく大電流が流せる。
 ×コギングトルクがかなり大きい。
  描画性能としてはミニモータと同じくらい。


他にも検討しましたが、
モータ定格電圧が12Vが多く、
5Vで駆動させるという今回のキット化の
仕様から外れるため除外しました。


12V駆動対応にすればもう少しモータの選択範囲が広がり、
より描画が綺麗にできるかもしれません。
posted by Crescent at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 電子部品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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