今回はSMD部品(表面実装部品)を取り外しの実験についてご紹介します。
色々基板を試作していると失敗してしまうこともあります。
失敗した基板はともかく、実装した部品がもったいないと思っていました。
ただ、SMD部品の場合、取り外しで細く複数ある足を綺麗に外すのは
かなり難易度が高くなります。
安く綺麗に取り外す方法を検討していました。
今回は基板を再利用するのでなく、部品を再利用するため、
SMD部品の足をバーナーで熱して外す方法を試してみました。
バーナーといってもアウトドア用のバーナーは炎が太いため、
周辺のチップや基板を焼いてしまいます。
今回はポケトーチという小型で安価なバーナーを
ホームセンターで購入し、実験してみました。
小型でも1300度の炎になるため、
ある程度距離を離して全体をまんべんなくあぶる感じで。
5秒くらいあぶるとピンセットで横に動くようになり、
そのまま持ち上げると簡単に外れました。
最初に加減が分からず、
熱し過ぎて基板のパターンが焼けて剥がれてしまいました(ピンセット先部分)。
他の部分は綺麗に取れました。
今回外したチップはD-PAK、TQFP44pin、SSOP24pinです。
鉛フリーはんだのため、融点が高く取り外しに苦労すると思いましたが、
思った以上に簡単に外れました。
一部熱し過ぎてパッケージ部分が欠けてしまいましたが、
IC自体の動作には問題ありませんでした。
ただ、チップの耐久温度を超えている可能性が高いため、
動作保証はできないですね。
評価実験用のチップとして第2の人生を活躍してもらいたいと思います。
ポケトーチは炎が細いため、SMD部品の取り外しバーナーとしては
かなり使いやすいと思いました。
工具箱にあっても損はないツールの1つだと思いました。
バーナーは高温なのでやけどや火事には充分気をつけてください。
特にポケトーチはボタンから離しても
残留ガスで数秒火がついたままになるので、
要注意です。