今回は簡単なリニアエンコーダを部品代300円程度で
自作してみましたのでご紹介します。
リニアエンコーダは浮上するわけでなく、
リニア=直線 のエンコーダということです。
以前に何度か紹介したAS5048AやTLE5012Bなどの磁気エンコーダは
ロータリーエンコーダで、回転の角度位置を検出します。
一方、リニアエンコーダは直線の位置を検出します。
用途としては3Dプリンタの軸に取り付けて位置を検出するなど...
使用する部品は
・ホールセンサー
・100均一などのテープ状マグネット
です。
秋月電子でホールセンサーA1324LUA-Tがアナログ出力で
磁力なしで中心電圧2.5V出力のため、使い勝手が良いです。
実は、100円均一で扱っているシートマグネットや
広告として配布されるシート状のマグネットは奥が深いのです。
どこでもぺたっとくっ付くシート磁石ですが、
単に表がN極、裏がS極ということではありません。
細かく数ミリピッチで綺麗にNとSが交互に並んでいます。
製造元によってピッチは異なりますが、
規則的に並んでいるため、
この磁界を検出すれば位置センサとして使用できるということです。
ピッチを知りたい場合はシート磁石を2枚重ねてスライドさせると、
ガタガタとN極S極の吸着部分と同極同士の反発部分を手で感じることができます。
ガタガタのピッチを測定すれば磁極ピッチが分かります。
国内で手に入るものはほとんど2~4mmピッチです。
実際にホールセンサーA1324LUA-Tとダイソーで購入したテープ状磁石で
ホールセンサーをある一定速度でスライドさせると、綺麗に正弦波が出力として出ました。
磁石のピッチが既知であれば、波の山や谷を数えればざっくりとした位置が分かります。
さらに正弦波に近似するとピッチのどの位置にいるか、更に高精度化することも可能です。
シート状の磁石は少し磁界が弱いため、
現状はセンサと磁石がベタ付け状態ですが、
センサの種類の変更やセンサ出力を増幅させるなどの工夫で
非接触でもセンシングできると思います。
テープ磁石をタイヤなどの回転物に巻けば、
ロータリーエンコーダとしても使用できそうです。
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