今回はSTから販売されている面白い機能を持ったEEPROMを紹介します。
その名も「Dual Interface EEPROM」。
EEPROMは数kB〜数MBなどのちょっとしたデータ保持する際に使用するメモリです。
何かしらの設定データやパラメータ、管理番号などを保持するためによく使用します。
STから販売されている「Dual Interface EEPROM」は
一般的なEEPROMのI2Cインタフェースに加えて、
RFIDのアンテナ端子も付いています。
つまり、EEPROMにI2CとRFIDの2つの通信で内部のデータにアクセスできます。
更に面白いのはRFIDの通信の場合はEEPROMに電源を供給せずとも
RFIDの電波でそのままパッシブにEEPROMが動作する点です。
RFIDの電波でパッシブで動作するため、
マイコンの電源を入れなくともデータの読み書きができます。
評価用のボードが500円前後で販売されているため、
入手してみました。
ANT7-T-M24SR64 は NFC Forum Type 4 Tag、ISO/IEC 14443 Type Aに
対応しているM24SR64-Yを搭載しています。
大きさは親指サイズです。
そのまま自作機器に組込んでも邪魔にならないサイズ感です。
姉妹品として
ANT7-T-M24LR04EはISO 15693 and ISO 18000-3 mode 1 compatibleに
対応しているM24LR04E-Rを搭載しているものもあります。
スマートフォン/タブレットとマイコンを連携させる場合は
一部、超音波(スピーカとマイク)、光(LED)を使用したものもありますが
無線LANやBluetoothなどの無線が多く、
開発規模が大きくなりがちです。
一方、今回のRFID機能付きEEPROMはマイコンからは単なるEEPROMで
スマートフォン/タブレット側からは単なるRFIDカードなので
相互に容易にスマートフォン/タブレットとマイコンを連携が可能です。
また、スマートフォンやタブレット側のRFIDの技適などの認可は当然必要ですが、
今回のRFID機能付きEEPROMはパッシブ動作なので
アンテナを基板上に自作しても技適やFCCの認可は不要です。
ちゃんとSTのサイトでアンテナ設計方法についても説明があるので、
各自で設計できるようになっています。
例えばスマートフォンからマイコン機器の設定を変更したり、
マイコン機器のデータの読み出しをしたりなどが簡単に実現できそうです。
今回のRFID機能付きEEPROMは最大8kBで
データをガシガシ読み書きするとなると相互にハンドシェイクしながら
何度もデータを書き換えて分けて通信する必要があります。
1MB版が欲しいのが本音です笑