2020年08月01日

STM32マイコン UART受信時必須処理 その2

以前、STM32マイコンでUARTの受信をする際に必須となるエラー処理について紹介しました。その際はフレーミングエラーが生じており、HAL_UART_Abort関数でクリアする方法を紹介しました。

今回は長いデータを連続して送信する際にオーバーランエラーが発生した際の対処方について紹介します。HAL_UART_Abort関数だけオーバーランエラーが発生した際にクリアされず、MPUがハングする場合がありました。環境としてはSTM32H743Z、STM32H7 Cube MCU Packeage 1.7です。

HAL_UART_Abort関数内では下記のようにエラー処理されており、オーバーランエラー、ノイズエラー、パリティーエラー、フレーミングエラーのクリア処理がされています。一見するとオーバーランエラーが解消されそうに見えますが、MPUがハングする現象がありました。

__HAL_UART_CLEAR_FLAG(huart, UART_CLEAR_OREF | UART_CLEAR_NEF | UART_CLEAR_PEF | UART_CLEAR_FEF);


HAL_UART_Abort関数内のフラグだけでは十分でないようです。試行錯誤した結果、下記のように受信フラグやオーバーランフラグをクリアすると正常動作に復帰することが確認できました。

if ( __HAL_UART_GET_FLAG(&huart1, UART_FLAG_ORE) )
{
    __HAL_UART_CLEAR_FLAG(&huart1,
                                              UART_CLEAR_NEF |
                                              UART_CLEAR_OREF |
                                              UART_FLAG_RXNE |
                                              UART_FLAG_ORE);
}

UART_FLAG_OREエラーが発生する場合は受信フラグやオーバーランフラグ自体をクリアする必要があるようです。エラーでUART受信できなくなるだけでなく、MPUがハングするような現象が発生したため、原因特定に時間を要してしまいました。最初はmalloc等のメモリ関連が原因かと思いましたが、UART単体でも異常が発生したため、UART起因と判明しました。UART回りはエラーケースが様々でなかなか厄介です。
posted by Crescent at 00:00| Comment(0) | 電子工作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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