今回は掃除機の吸引圧について事前検討した内容を少し紹介します。なぜ、掃除機の吸引圧を検討したかというと紙パックの容量を可視化できたら便利だと思ったからです。市販品の掃除機では紙パック詰まりを表示して交換を促す製品もありますが、定量的に紙パック容量を可視化しているものはあまりありません。
今回はマキタの掃除機CL107FDに新品の紙パックを使用した状態でダストボックス内の紙パックとファンの間に圧力センサを入れ込んで吸引圧を調べてみました。
圧力センサはST製 LPS22HHの評価基板を使用して、USBシリアルI2C変換基板でPCに接続して1秒周期でNode-Redからリアルタイムに可視化してみました。
今回の掃除機は吸引パワーを3段階切り替え可能で標準→強→弱の順に切り替えてみました。
標準で1012hPaから996hPaまで低下、強で993hPa、弱で1004hPaとなりました。まとめると標準で-16hPa、強で-19hPa、弱で-8hPaという感じです。
続いて標準状態で紙パックにごみが堆積して詰まったと仮定してノズル先端を手で押さえて検討してみました。標準の996hPaから987hPaまで低下し、-9hPa程度内部の気圧が低下することが分かりました。
実際の掃除では掃除機のモードによる気圧変化だけでなく、更に掃除機のノズル形状、絨毯かフローリングかで若干基準が変わります。圧力センサを入れるだけで容易に紙パック容量を可視化というのは難しいかもしれませんが、見込みはあることが分かりました。定常的な圧力だけでなく、圧力変化の勾配等、圧力センサを活用して面白いセンサを検討してみたいと思います。