2024年05月25日

StepからSVGへの変換

メカ設計に限らず、電気設計でも部品やコネクタ等の3Dデータから2Dデータに変換してイメージ図を作成する機会があると思います。今回はStepファイルを2Dに落とし込む際にベクトルデータのままSVGファイルに変換する方法について紹介したいと思います。

今回はStepファイルからSVGファイルへの変換としてFreeCADを使用します。

@FreeCADを起動し、Stepファイルを開きます

freecad1.jpg


A必要に応じて2Dデータとして落とし込みたい向きにビューを変更します
数字の1~6を押すと向きを簡単に変更できます

freecad2.jpg

B続いて2Dデータに落とし込むために「TechDraw」をクリックします

freecad3.jpg

C「TechDraw」のデフォルトページ挿入のボタンを押します

freecad4.jpg

DStepファイルのオブジェクトをクリックして、ビュー挿入をクリックします

freecad5.jpg

EPageをクリックし、SVGエクスポートボタンを押してSVGファイルを保存します

freecad6.jpg

なお、デフォルトでは図面の枠や背景もSVGファイルとして出力されてしまいます。もし、それらを除く場合は下記のようにtemplateをクリックし、templateを変更します。例えば、「A4_Landscape_blank.svg」に変更すると図面の枠や背景なしで出力することが可能です。

また、3Dプリンタ出力用のSTLファイル等のソリッドになっていないファイルの場合はそのまま「TechDraw」で2D平面に落とし込むことができません。ソリッド変換してから2D平面に落とし込む必要があります。最初にBで「TechDraw」をクリックする前に「Part」をクリックし、「パート」内の「メッシュから形状を作成」をクリックします。その後、生成された形状ファイルをクリックし、「パート」内の「ソリッドに変換」をソリッドに変換してからBの「TechDraw」で2D平面に落とし込んでください。


生成したSVGファイルはInkscape等で編集することが可能です。FreeCADを使った便利な機能等も今後、紹介していきたいと思います。

■追記
インストールが面倒な場合や変換ファイル数が多い場合はWebサービスを活用すると便利です。
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2024年04月20日

Web USB Encoder Tool

以前にWeb HID APIを用いたMCP2210とWeb HID APIでブラウザを介して通信するツール、Web USB SPI Toolを紹介しました。今回はWeb HID APIとMCP2210を応用して、ブラウザを介して簡単にSPI接続の磁気エンコーダの角度を読み込むツール、Web USB Encoder Toolを実装してみました。


WebUsbSpiEncoder.png

対応する磁気エンコーダはAMS製のAS5048A、MPS(Monolithic Power Systems)製のMA730/732に対応しています。ちょっとした動作確認や接続の確認等に便利です。接続後、開始/停止ボタンを押すと200msec毎に角度を読み込んで値が更新されます。

Web HID APIに対応したブラウザはEdgeもしくはChromeのみ対応となっており、24年1月時点ではFirefoxやSafariは対応していません。Web HID APIを用いることで専用のソフトウェアなしでブラウザ単体で様々なツールを実装できるのは非常に魅力的だと思いました。今後もWeb HID APIを用いた応用的な機能を開発して順次公開したいと思います。
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2024年03月16日

SC18IM700とSC18IM704の差

以前にUART I2Cプロトコルブリッジのリニューアル版について紹介しました。UART I2Cプロトコルブリッジの旧バージョンはSC18IM700リニューアル版はSC18IM704となって別の製品として販売されています。

ハードウェアについてはピンアサインやGPIOモード、IO電圧、バッファサイズで変更があります。ただし、SC18IM700とSC18IM704でコマンドの互換があるものの、設定の一部は互換性がなくなっているようです。今回は変更となっているコマンド部分の差について紹介したいと思います。


■I2C CLK
 I2C CLKはデフォルトでは100kHzの設定になっており、特別な理由がない限りは変更する必要がありません。CLKを落としてより通信を安定させたい場合やCLKを上げて少しでも通信レートを上げたい場合等で変更する必要があります。

 設定自体のレジスタアドレスは同じですが、設定値が変更になっています。SC18IM700では2つのレジスタを合わせた値がCLKとして反映されてる仕様(I2CClkHとI2CClkLの差がない)でしたが、SC18IM704は2つのレジスタに16bitで設定した値がCLKとして反映される仕様(I2CClkHとI2CClkLを区別する)に変更されています。

 個人的にはI2CClkHに値を設定すると大幅にCLKが低下するため、I2CClkHの用途が限定的で以前の仕様の方が利便性は良かったと感じました・・・


・SC18IM700

700_CLK.jpg

・SC18IM704
704_CLK.jpg



■I2C CTO
 I2C通信のタイムアウト時間設定はデフォルトでは無効化されています。

 SC18IM700の場合、CTOのビットのみを有効化したするとデフォルトのタイムアウト時間は230msec程度です。

 一方、SC18IM704の場合はI2C_CLKも設定値に関係する仕様になっています。I2C_CLKがデフォルトの100kHzの場合、CTOのデフォルトは35msec程度とタイムアウト時間が短くなっています。また最大でも90msec(I2C_CLK=100kHz)程度で設定可能なCTO時間の範囲が狭くなっています。

 個人的にはI2C_CLKに依存せず、CTOの調整幅が大きいため、以前の仕様の方が利便性は良かったと感じました・・・



・SC18IM700

700_CTO.jpg

・SC18IM704

704_CTO.jpg



なお、SC18IM700とSC18IM704をソフトウェア側で区別するためにはSC18IM704に搭載された「Read version function ID」コマンドを利用することで確認することが可能です。アスキーで「VP」の文字列(0x56,0x50)を送信することで「SC18IM704 1.0.2」という感じで応答を確認することが可能です。応答がない場合はSC18IM700と区別できます。

後継のSC18IM704はIO電圧、バッファサイズ等、拡張が行われている一方でレジスタ設定については以前の仕様の方が利便性が良いと感じました。
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2024年02月17日

Web USB SPI Flash Tool

以前にWeb HID APIを用いたMCP2210とWeb HID APIでブラウザを介して通信するツール、Web USB SPI Toolを紹介しました。今回はWeb HID APIとMCP2210を応用して、ブラウザを介して簡単にSPI Flashの読み書きをするツール、Web USB SPI Flash Toolを実装してみました。


WebSpiFlashTool.png

SPI FlashのデバイスIDの確認やメモリの読み出し(binファイルへの書き出し)、SPI Flash全体の消去、メモリの書き込み(binファイルの読み込み)に対応しています。ページサイズやアドレス長を選択できるため、様々なSPI Flashにも対応しています。SPI Flashの他、インストラクションに互換性のあるSPI接続のFRAMやEEPROMにも対応しています。

ただし、残念ながら、読み書きの速度が非常に遅いです。Web HID APIに限らず、MCP2210はUSBのHIDインタフェースを使用しているため、規格の制約上、1msec毎に64byteの送受信が行われます。USB2.0等であってもHIDインタフェースのため、読み書きの速度が大幅に制限されます(HIDインタフェースは人の入力等を想定した規格で高速な転送は想定されていない)。数十Mbit以上になると読み書きに30分~1時間以上要するため、日常ユースとしては向いていません。また、環境によっては読み書きが不安定な場合もありました。数百kbit程度のちょっとしたメモリの確認程度が良いかと思いました。なお、今回紹介したWeb USB SPI Flash Toolによるデータ読込/書込ミス、データ喪失等、一切の責任を負いかねます。また、ブラウザはEdgeもしくはChromeのみ対応となっており、24年1月時点ではFirefoxやSafariは対応していません。

Web HID APIを用いることで専用のソフトウェアなしでブラウザ単体で様々なツールを実装できるのは非常に魅力的だと思いました。今後もWeb HID APIを用いた応用的な機能を開発して順次公開したいと思います。
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2024年01月27日

YOXO FESTIVAL 2024 出展告知

昨年に引き続き、今年もYOXO FESTIVALに出展します。先日から販売を開始したRP2040を使用した新バージョンのProjectionBallも展示予定です。なお、展示のみで販売は行いません。

スタートアップによる技術実証、企業や学校、個人、イノベーター、クリエーターによる「未来」をテーマとした展示(ロボット、モビリティ、XR等)、デモやワークショップなど、見て・触って・あっと驚くユニークな未来技術を体験できるイベントです。

■開催日
2024年2月3日(土) 11:00-19:00 / 2月4日(日) 11:00-17:00

■出展場所
I-ハンマーヘッドCIQホール、I-29


詳細はYOXO FESTIVAL 2024のリンクを参照してください。
ご都合よろしければぜひお越しください。宜しくお願い致します。

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